freee vs マネーフォワード 即決チェックシート
| チェック項目 | freeeが向く | マネーフォワードが向く |
|---|---|---|
| 会計知識 | なし・社長や本人が自分で経理 | あり・経理担当者がいる |
| 顧問税理士 | freee対応 or これから探す | マネーフォワード対応 |
| バックオフィス統合 | 会計+人事労務を段階的に | 会計・請求書・経費・給与を基本料金でまとめて |
| 操作画面の好み | 日常言語型(借方・貸方を見せない) | 会計用語型(複式簿記ベース・Excelライク) |
| 月額の目安(法人・年払い) | 2,980円〜(税抜) | 2,480円〜(税抜) |
| 無料お試し | 30日間(カード登録不要) | 1ヶ月(カード登録不要) |
迷ったら:顧問税理士に「どちらに対応していますか?」と聞く。それが最速の答えだ。
まず筆者の立場を開示する
比較記事は「書き手が実際に何を使っているか」で信頼性が決まる。だから最初に正直に書いておく。
私は静岡県で従業員30名の物流(倉庫)会社を経営している。当社の法人経理は、実はクラウド会計ではなく「エプソン財務応援」に手打ちする昔ながらの運用のままだ。一方で、個人の副業の経理にはマネーフォワードを使っている。freeeは使ったことがない。法人カードと会計ソフトの自動連携も、自社ではやっていない。
つまりこの記事は「両方を使い倒したヘビーユーザーのレビュー」ではない。法人ではクラウド会計をまだ導入していない側の経営者が、2026年9月時点の両社公式情報を突き合わせて「どんな会社がどちらに向くか」の判断基準を整理したものだ。使っていないものを使ったとは書かない。その代わり、数字はすべて公式ページで確認したものだけを載せる。
2大クラウド会計ソフトの現状
クラウド会計ソフトの市場は、freee会計とマネーフォワード クラウド会計の2社が中小企業向けの主役だ。freeeは有料課金ユーザー企業数71万事業所(2026年3月末時点・個人事業主含む)と公表している(出典:freee会計 公式サイト)。マネーフォワードも上場企業が運営するバックオフィスSaaS群の中核で、両方とも「どちらを選んでも失敗ではない」水準にある。
ただし注意点がひとつ。両社とも近年、料金体系を大きく変えている。 freeeは2024年7月に法人プランを改定し「基本料金+ユーザー追加+従量課金」の構造になった。マネーフォワードは法人プランを「会計だけでなくバックオフィス一式が基本料金に含まれる」体系にしている。数年前の比較記事の料金表はもう当てにならない。本記事の料金は2026年9月に両社の公式料金ページで確認した数字だ。
基本スペック比較
| 項目 | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 |
|---|---|---|
| 法人の最安プラン | ひとり法人:年払いで月あたり2,980円(税抜) | ひとり法人:年払いで月あたり2,480円(税抜) |
| 中小企業向け主力プラン | スターター 月5,480円/スタンダード 月8,980円(税抜・従量課金あり) | スモールビジネス 年払いで月4,480円/ビジネス 月6,480円(税抜) |
| 無料お試し | 30日間(クレジットカード登録不要) | 1ヶ月(ビジネスプラン相当・カード登録不要) |
| 基本料金に含まれる範囲 | 会計が中心(人事労務・申告は別製品で拡張) | 会計+請求書+経費+給与+勤怠など一式(人数上限つき) |
| 操作画面の設計思想 | 日常言語型(簿記用語を表に出さない) | 会計用語型(複式簿記ベース・Excelライク) |
| 銀行・カードの自動連携 | ○ | ○ |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | ○ | ○ |
出典:freee会計 法人向け料金プラン/マネーフォワード クラウド 料金
選び方の判断基準は5つ
「機能一覧の○×表」を眺めても答えは出ない。どちらも中小企業の経理に必要な機能は一通り揃っているからだ。決め手になるのは、自社の体制に関わる次の5つだと考えている。
基準1:誰が経理をやるか
社長本人や、簿記の知識がない担当者が入力するならfreee。freeeは「借方・貸方」という言葉を使わず、「売上を受け取った」「費用を支払った」という日常言語で操作できる設計だ。逆に、簿記がわかる経理担当者がいるなら、複式簿記をそのまま画面にしたマネーフォワードの方が速い。
当社のように従来型の会計ソフトに手打ちしている会社は後者のタイプで、移行するならマネーフォワードの方が現場の抵抗は小さいはずだ。
基準2:顧問税理士がどちらに対応しているか
クラウド会計は税理士とデータを共有して初めて真価が出る。顧問税理士が普段使っているツールと揃えれば、月次確認・決算・申告のやり取りが一気に楽になる。逆に税理士が対応していないツールを選ぶと、結局データをエクスポートして渡す手間が残る。
導入前に顧問税理士へ「freeeとマネーフォワード、どちらに対応していますか」と聞く。 これが最も合理的で、コストゼロの調査だ。
基準3:バックオフィスをどこまで統合したいか
2026年時点の大きな違いはここだ。マネーフォワードの法人プランは、会計だけでなく請求書・経費・給与・勤怠・年末調整・社会保険などが基本料金に含まれる(プランごとに利用人数の上限あり。出典:マネーフォワード クラウド 料金)。会計ソフトの値段でバックオフィス一式が手に入る構造だ。
freeeは会計を軸に、freee人事労務などの別製品を足して拡張していく構造で、採用→入社手続き→給与→年末調整まで人事労務側の作り込みが厚い。人事・労務を本格的に一元化したいならfreee、まず経理まわりを安くまとめたいならマネーフォワード、という住み分けになる。
基準4:料金は「基本料に何が含まれるか」で比べる
月額の数字だけを比べると誤る。freeeは2024年7月改定で「基本料+ユーザー追加+従量課金」型になったので、使う人数と機能範囲で実際の支払額が変わる。マネーフォワードは基本料金に含まれるサービスが多い代わりに、利用人数が増えると上位プランや従量課金になる。「自社で使う人数」と「使いたいサービスの範囲」を決めてから、公式の料金シミュレーションで見積もるのが正しい比べ方だ。
基準5:いま使っているソフトから移行できるか
弥生会計などのデスクトップソフトからも、Excel帳簿からも、両社とも移行手段は用意されている。問題は移行の中身よりタイミングだ(後述)。移行のしやすさで両社に決定的な差はないので、ここは選定理由にしなくていい。
freee会計が向いている企業・人
①会計知識がなくても自分で経理を回したい
freeeの最大の特徴は「会計の専門知識がない人でも使える」ことに徹したUIだ。入力画面はシンプルで、勘定科目の候補が自動表示され、エラーは日本語でガイドされる。経理担当者がいない・代表者が自分で経理をやっている小規模企業に特に向いている。
②給与計算・人事労務も一元管理したい
freeeはfreee人事労務との連携が強く、採用から入社手続き・給与計算・年末調整まで一貫して管理できる。HR系の業務までまとめて一つのプラットフォームに載せたい会社には、この統合の深さが効く。
③個人事業主から法人成りした・これからする
freeeは個人事業主向けの確定申告機能が充実しており、青色申告から法人会計への移行動線がある。個人から法人成りした企業には馴染みやすい。
マネーフォワードが向いている企業・人
①簿記がわかる担当者・税理士と組んで使う
マネーフォワードは複式簿記をそのまま画面にした設計で、仕訳一覧はスプレッドシートに近い見た目だ。弥生会計などの従来ソフトやExcelで経理をしてきた担当者なら、覚え直しがほとんどいらない。
②バックオフィス全体をコスパよく統一したい
前述のとおり、法人プランの基本料金に会計・請求書・経費・給与・勤怠などが含まれる。スモールビジネスプラン(利用者3名以下)は年払いで月4,480円(税抜)、ビジネスプラン(4名以上)は月6,480円(税抜)だ(出典:マネーフォワード クラウド会計 料金)。個別のツールをバラバラに契約するより、この「一式込み」の構造はわかりやすい。
③個人の事業とも使い勝手を揃えたい
私自身、個人の副業の経理はマネーフォワードで回している。法人と個人で同じ操作体系のツールを使えるのは、経営者が自分の確定申告も見る場合には地味に効く。
料金プラン詳細比較(2026年9月時点・税抜)
freee会計(法人)
| プラン | 料金 | 想定規模 |
|---|---|---|
| ひとり法人 | 年払いで月あたり2,980円 | 記帳・決算書作成に特化したひとり法人 |
| スターター | 月5,480円+従量課金 | 設立初年度〜小規模法人 |
| スタンダード | 月8,980円+従量課金 | 月次決算・経営分析をする小規模法人 |
| アドバンス | 月39,780円+従量課金 | 内部統制が必要な中小企業 |
年払いで最大25%割引。無料お試しは30日間(出典:freee会計 法人向け料金プラン)。
マネーフォワード クラウド(法人)
| プラン | 料金(年払い) | 想定規模 |
|---|---|---|
| ひとり法人 | 月あたり2,480円(年29,760円) | ひとり法人 |
| スモールビジネス | 月あたり4,480円(年53,760円) | 利用者3名以下 |
| ビジネス | 月あたり6,480円(年77,760円) | 利用者4名以上(人数従量あり) |
いずれも基本料金に会計・請求書・経費・給与・勤怠等を含む。無料トライアルは1ヶ月(出典:マネーフォワード クラウド 料金)。
注意:両社とも人数・機能で従量課金が乗る体系なので、最終的な支払額は公式ページの見積もりで確認してほしい。料金は改定されることがある。
操作感の違い(設計思想の差)
| 場面 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 入力の考え方 | 「取引」を日常言語で登録→裏で仕訳化 | 仕訳をそのまま入力・編集 |
| 画面の見た目 | ウィザード・ガイド中心 | 一覧表・スプレッドシート的 |
| 向く人 | 簿記を知らない人 | 簿記を知っている人 |
| 銀行連携後の処理 | 推測候補から選ぶだけ | 仕訳ルールを細かく作り込める |
freeeは「とにかく使い始めるハードルが低い」、マネーフォワードは「わかる人が細かく作り込める」。どちらが優れているかではなく、使う人の会計知識で答えが変わるというのが実態だ。
乗り換え・移行はどうするか
どちらも弥生会計・他社クラウド会計からの移行ガイドを提供している。
| 移行元 | 推奨タイミング | 移行の手間 |
|---|---|---|
| 弥生会計(デスクトップ) | 年度初め(期首)が最も楽 | 小規模:数日/仕訳量が多いと1〜2週間 |
| 他社クラウド会計 | 年度初め推奨 | CSVエクスポート→インポートで対応可 |
| Excel・手打ちの会計ソフト | いつでも | 過去データの移行は不要な場合も |
移行の鉄則:期中に移行すると、移行前後のデータを突き合わせる手間が発生する。期首に切り替えるのがベストだ。 仕訳量の多い会社は、税理士か導入支援に伴走してもらった方が安全だと思う。移行ミスは決算に直撃する。
手打ち運用からの切り替えほど、この「期中の面倒さ」が先送りの言い訳になりやすい。移行するなら期首、と決め打ちして準備するのが現実的だ。
インボイス・電子帳簿保存法への対応
インボイス制度・電子帳簿保存法への対応は、freee・マネーフォワードの両方が対応済みだ。
| 要件 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 適格請求書の発行 | ○ | ○ |
| 電子帳簿保存(スキャナ保存) | ○ | ○ |
| 取引先の登録番号管理 | ○ | ○ |
| 電子取引データの保存 | ○ | ○ |
この点での差は実質ほぼない。インボイス・電帳法対応を理由に乗り換える必要はない。
よくある質問(FAQ)
Q. freeeとマネーフォワード、どちらが安いですか?
A. 2026年9月時点の法人最安は、freeeひとり法人が年払いで月2,980円(税抜)、マネーフォワードひとり法人が月2,480円(税抜)です。ただし、マネーフォワードは基本料金に請求書・経費・給与なども含まれるため、バックオフィス全体で見るとコスパ構造が違います。「会計だけ使うのか、経費・給与も載せるのか」を決めてから、両社の公式料金ページで自社の人数を当てはめて比べてください。
Q. 現在 Excel で帳簿をつけています。どちらに乗り換えるべきですか?
A. 顧問税理士がいる場合は、顧問税理士が対応しているツールに合わせてください。顧問税理士がいない場合、簿記の知識があって仕訳入力に抵抗がないならマネーフォワード、会計知識が浅いまま自力でやりたいならfreeeが合理的です。どちらも無料お試し期間(freee30日・マネーフォワード1ヶ月)があるので、実際の帳簿を数件入力してみてから決めることをおすすめします。
Q. 複数の会社(法人複数)を管理したい場合はどちらが良いですか?
A. どちらも複数事業者の管理に対応していますが、プランや契約形態で扱いが変わります。グループ会社をまとめて見たい場合は、事業者数分のコストがどうなるかを両社の営業窓口か公式料金ページで確認してから選んでください。顧問税理士が複数社をまとめて見ているなら、税理士側の管理画面に揃えるのが実務上はいちばん楽です。
Q. 乗り換えるなら今すぐでも大丈夫ですか?
A. 期中(期首以外)の乗り換えは、移行前のデータを整理して突き合わせる手間が増えます。急ぎでなければ、次の期首に合わせて準備するのがベストです。急いで乗り換える場合は、移行前後のデータを税理士に確認してもらいながら進めることをおすすめします。
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まとめ
中小企業の最短ルートは「顧問税理士の対応ツールに揃え、無料お試しで自社の帳簿を数件入力してから契約する」だ。
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本記事の情報は2026年9月時点のものです。料金・プラン内容は改定されることがあるため、契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
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静岡県で倉庫会社を経営しています。年商4億円・従業員30名・創業55年のザ・中小企業です。
大学はアメリカ(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)で運動生理学を専攻して2009年卒業。卒業後は外資系医療機器メーカーで営業職として働いていましたが、14年前に家業に入社。課長・部長・専務取締役を経て、2年前に社長に就任しました。
AI活用を始めたのは約3年前。紙・Excel・電話だけで回っていた倉庫業の現場をなんとかしたいと思ったのがきっかけです。それからClaude・ChatGPTを中心に、実際の業務改善で毎日試行錯誤しています。
コンサルでも研究者でもない「普通の中小企業の社長がAIを使ってみたリアル」を発信しています。
モットーは「人生を最大限楽しむ」。好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。


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