この記事の要点: AIに決算書を渡して財務分析させるコツは、損益計算書・貸借対照表の数値をそのまま貼り付け、「経営者目線で課題を3つ指摘して」のように役割と出力形式を指定することです。本記事ではClaude・ChatGPTにそのまま使える財務分析プロンプトのテンプレートを解説します。
「税理士に決算書をもらったが、何が書いてあるかよくわからない」
これは中小企業の経営者が口にする本音です。損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)・キャッシュフロー計算書(CF)の3つを渡されても、「前年比でどこが悪化したか」「どこに手を打てばいいか」を自分で読み解くのは難しい。
私もかつてはそうでした。でも今は、Claudeに決算書を読ませて、5分で「経営改善のポイント」を教えてもらっています。この記事では、Claudeを使った決算書分析の手順と、どんな出力が得られるかを解説します。なお、当社の実際の決算数値やClaudeの実出力は非公開のため、本記事に登場する数値例はすべて架空のサンプルです。
この記事でわかること
AI経営企画室としての決算書分析の運用については → Claudeで決算書を分析する方法【AI経営企画室を運用する現役社長の実践ガイド】 をご覧ください。この記事ではP/L・B/S別のプロンプト設計と出力を引き出す手順に絞って解説します。
Claudeへの決算書分析プロンプト
プロンプト①:P/L(損益計算書)の分析
以下の損益計算書を読んで、経営者向けに分析してください。
【会社情報】
業種:製造業(金属部品加工)※自社の業種に置き換えてください
規模:従業員50名・年商8億4,000万円 ※自社の数字に置き換えてください
決算期:2025年3月期
【損益計算書(前期比較)】
(ここに数字を貼り付け)
分析してほしいこと:
1. 前期と比較して、悪化している指標と原因の仮説
2. 自社業種の業界標準(売上総利益率・営業利益率)との比較
3. 今期に優先的に改善すべき3つのポイント
4. 私がすぐにできるアクション(経営者視点で具体的に)
プロンプト②:B/S(貸借対照表)の分析
以下の貸借対照表を分析してください。
【貸借対照表】
(数字を貼り付け)
確認してほしいこと:
1. 自己資本比率・流動比率・当座比率は問題ないか
2. 借入金の状況:過剰か・適正か
3. 資産の中に「改善できる項目」があるか
4. 金融機関(銀行)はこの数字をどう見るか
Claudeで分析したときの出力例(架空サンプル)
イメージをつかんでもらうため、架空のサンプル決算データ(実在の会社のものではありません)をClaudeに渡した場合の出力例を示します。設定は「製造業(金属部品加工)・従業員50名・2025年3月期」の中小企業です。当社の実際の数値・実際の出力は非公開のため、以下はあくまで架空サンプルでの例です。
入力データ(架空サンプル・概要):
Claudeの分析出力(このサンプルを渡した場合のイメージ・要約):
> ①前期比で最も悪化した指標:
> 売上高は+5.0%と増加しているにもかかわらず、売上総利益率が23.5%→21.0%と2.5ポイント低下しています。これは「売上の増加以上にコストが上昇した」ことを意味します。製造業の場合、主な原因として①原材料・仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁できていない、②電気代などエネルギーコストの増加、③労務費(残業代・派遣単価)の上昇が考えられます。
>
> ②業界標準との比較:
> 中小製造業の売上総利益率の平均は20〜25%程度です。今期の21.0%は業界平均の下限寄りにあります。営業利益率3.5%は業界平均(3〜5%)の中位ですが、前期の5.0%からの落ち込み幅が大きい点が問題です。原材料費がさらに上昇すると危険水域に入ります。
>
> ③今期に優先すべき改善点:
> 1. 価格転嫁の交渉:原材料の上昇分を反映した値上げ交渉を主要取引先から順に進める
> 2. 製品別採算の把握:製品・受注ごとの利益率を可視化し、赤字受注を特定する
> 3. エネルギーコストの削減:電力契約の見直しや稼働時間帯の調整を検討する
私自身も、Claudeの分析を税理士との相談前に読んでから臨むようにしています。「どの費用が悪化の主因か」という仮説を持った状態で相談できるため、決算書の説明を聞くだけで終わらず、対策の議論にすぐ移れます。
Claudeが得意な分析・苦手な分析
| 分析の種類 | Claudeの精度 | 備考 |
|---|---|---|
| 前期比較・傾向分析 | ★★★★★ | データを渡すと的確に比較してくれる |
| 業界平均との比較 | ★★★★☆ | 概ねの水準は教えてくれるが、最新データには限界 |
| 財務指標の計算 | ★★★★★ | 自己資本比率・流動比率等を正確に計算 |
| 節税対策の提案 | ★★★☆☆ | 一般論は出るが、会社の状況に合った具体策は税理士が必要 |
| 銀行融資の可否判断 | ★★★☆☆ | 参考程度。実際の審査は銀行の内部基準による |
月次管理にClaudeを使う方法
決算書は年1回ですが、月次の試算表でも同じ分析ができます。
月次プロンプト:
今月の試算表を渡します。先月と比較して、気になる点を3つ教えてください。
また、今月の数字から来月に向けてやるべきことを提案してください。
【今月の試算表】
(コピペ)
【先月の数字】
(コピペ)
毎月この分析を続けることで、「利益が下がり始めているサイン」を早期に発見できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 決算書の数字をAIに渡して情報漏洩のリスクはありますか?
A. Anthropic(Claude提供元)は商用利用で学習データに使用しないと表明しています。ただし社内規定のセキュリティポリシーを確認した上で使用してください。機密性が高い場合は、金額を「1/10スケール」に変換してから入力する方法も有効です。
Q. Claudeの分析と税理士の分析、どちらを信じるべきですか?
A. 最終判断は必ず税理士・会計士に確認してください。Claudeは「分析の出発点」「仮説の整理」に使い、専門家の判断を補う位置づけが適切です。
Q. 数字を貼り付けるときの形式は?
A. テキスト(コピペ)で十分です。表の形式でなくても「売上高:○○万円」という箇条書きで問題ありません。PDFを直接貼ることはできないため、手入力またはコピペが必要です。
Q. Claude無料版でも決算書分析はできますか?
A. できます。ただし入力文字数に制限があるため、1期分の概要データのみの分析に限られます。前期比較や詳細分析にはClaude Proをおすすめします。
Q. Claudeが間違った分析をすることはありますか?
A. あります。特に「業界平均」の数字は学習データの時点によって古い場合があります。出力結果は「一つの見方」として活用し、重要な意思決定前には専門家への確認を忘れないでください。
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まとめ
Claudeを使った決算書分析の3つのポイント:
決算書が来たら、まずClaudeに渡してみてください。経営者としての「数字の読み方」が変わります。
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📓 筆者の実録noteマガジン
この記事の筆者は従業員30名の物流会社社長。コードを1行も書かずに、AIだけで社内の仕組みづくりと副業を進めてきた過程を、収益ゼロの月や失敗談も含めてそのままnoteに記録している。
本記事の情報は2026年5月時点のものです。
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静岡県で倉庫会社を経営しています。年商4億円・従業員30名・創業55年のザ・中小企業です。
大学はアメリカ(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)で運動生理学を専攻して2009年卒業。卒業後は外資系医療機器メーカーで営業職として働いていましたが、14年前に家業に入社。課長・部長・専務取締役を経て、2年前に社長に就任しました。
AI活用を始めたのは約3年前。紙・Excel・電話だけで回っていた倉庫業の現場をなんとかしたいと思ったのがきっかけです。それからClaude・ChatGPTを中心に、実際の業務改善で毎日試行錯誤しています。
コンサルでも研究者でもない「普通の中小企業の社長がAIを使ってみたリアル」を発信しています。
モットーは「人生を最大限楽しむ」。好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。


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