中小企業が助成金で従業員を採用・育成した事例【キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金】

中小企業が助成金で従業員を採用・育成した事例【キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金】 補助金・助成金
Photo by Chaojie Ni on Unsplash

カテゴリ: 補助金・助成金 / 採用・人事

メインキーワード: 助成金 採用 育成 中小企業 キャリアアップ

文字数: 約4,200字


中小企業が使える人材系助成金

人手不足が深刻な中小企業にとって、採用・育成コストは大きな負担だ。しかし、厚生労働省が管轄する助成金を活用することで、採用・研修・賃上げにかかるコストの一部を回収できる。

補助金と違い、助成金は「要件を満たせば原則もらえる」制度だ。採択率という概念がなく、書類が整っていれば受給できる。

主な人材系助成金:

  • キャリアアップ助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 雇用調整助成金(緊急時向け)
  • トライアル雇用助成金

キャリアアップ助成金

概要

非正規雇用(パート・アルバイト・派遣)の従業員を正社員に転換・賃上げすることで受給できる助成金。

正社員化コースの主な要件と助成額(2026年度)

コース 助成額(中小企業)
有期→正規転換 1人あたり80万円
短時間→正規転換 1人あたり80万円
賃金規定等共通化 1事業所あたり60万円

重要な要件:

  • 就業規則に「正社員転換規定」を設けている
  • 転換後、転換前比6%以上賃金を増額している
  • 3ヶ月以上継続して雇用していた非正規従業員を転換する

実際の事例:倉庫スタッフの正社員化

  • 対象: 倉庫スタッフ2名(有期契約・時給1,100円)を正社員転換
  • 転換後の月給: 22万円
  • 受給額: 80万円 × 2名 = 160万円
  • 手続き期間: 転換から6ヶ月後に申請 → 審査3〜4ヶ月 → 受給

年収換算で264万円の採用コストがかかる社員を採用するのに、160万円が戻ってくる計算だ。


人材開発支援助成金

概要

従業員のスキルアップ・資格取得・研修受講にかかる費用と訓練期間中の人件費を助成する制度。

人への投資促進コース(主要コース)

項目 助成内容(中小企業)
研修費(外部研修) 経費の60〜75%
訓練中の賃金 時間あたり960円
OJT(職場内訓練) 実施助成760円/時間

対象となる研修の例:

  • フォークリフト・クレーンなどの技能資格取得
  • ビジネスITスキル研修(Excel・会計ソフト)
  • マネジメント研修・リーダーシップ研修
  • 語学研修(業務に必要な場合)

実際の事例:フォークリフト免許取得支援

  • 対象: 新入社員3名のフォークリフト免許取得
  • 研修費用: 1人あたり約6万円 × 3名 = 18万円
  • 助成額: 18万円 × 60% = 約10万8千円
  • 訓練時間: 延べ約90時間 × 960円 × 3名 = 約25万9千円
  • 合計受給額: 約36万7千円

18万円の研修費をかけて36万円超が戻ってくる。採用後の研修はほぼタダになる計算だ。


助成金申請の流れ

①社労士への相談

助成金の申請は複雑で、書類不備で不支給になることがある。初回は社労士に相談することを強くおすすめする。

費用の目安:

  • 申請代行:受給額の15〜20%(成功報酬型)
  • 月額顧問契約:2〜5万円/月

初年度は代行してもらいながら流れを覚え、2年目以降は自分で申請できるようになる企業も多い。

②就業規則の整備

助成金を受給するには就業規則の整備が前提になることが多い。特にキャリアアップ助成金では「正社員転換規定の明記」が必須だ。

③計画書の事前届出

人材開発支援助成金は、訓練を実施する前に「訓練計画書」をハローワークに届け出る必要がある。研修を終えてから「申請しよう」と思っても遅い。

④実績報告・受給申請

研修終了・転換後の所定期間が過ぎたら、実績報告書を提出して受給申請を行う。


助成金活用で注意すること

①受給まで時間がかかる

申請から受給まで6ヶ月〜1年かかることが多い。資金繰りに余裕がない状態で「助成金が入ったら払う」は危険だ。

②書類管理が重要

研修の出席簿・賃金台帳・雇用契約書などの書類を適切に保管していないと不支給になる。電子化してクラウドに保存しておくことをおすすめする。

③要件は毎年変わる

助成金の要件・助成額は年度ごとに変更されることがある。申請前に必ず最新の公募要領(厚生労働省のWebサイト)を確認する。


まとめ

中小企業が使える主な人材系助成金をまとめる。

助成金 主な用途 受給額の目安
キャリアアップ助成金(正社員化) 非正規→正社員転換 1人80万円
人材開発支援助成金 研修費用・資格取得 費用の60〜75%
トライアル雇用助成金 試用期間中の費用補助 月4万〜5万円 × 最大3ヶ月

「助成金は使いこなせている企業だけが得をする制度」だ。まず社労士に相談して、自社が使える助成金を棚卸しすることから始めてほしい。


関連記事


本記事の情報は2026年5月時点のものです。

本マガジンはアフィリエイトを含む副業の実録です。収益・成果を保証するものではありません。副業・投資の判断はご自身の責任でお願いします。

本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。


⚠️ 免責事項・情報の正確性について

本記事は掲載時点の情報をもとに、著者(物流会社経営者)の個人的な調査・体験に基づいて作成しています。以下の点をご確認のうえ、情報をご活用ください。

  • サービスの料金・仕様・審査基準・提供内容は予告なく変更される場合があります
  • 補助金・助成金の条件・金額・公募期間は年度ごとに変わります。申請前に必ず公式サイト・商工会議所等でご確認ください
  • 転職エージェントの求人数・サービス内容・担当者体制は変動します
  • 本記事に記載された統計・数値は、取材時点の公開情報に基づくものです。最新データは一次情報源でご確認ください
  • 本記事の内容は正確を期していますが、情報の完全性・正確性を保証するものではありません

最終判断はご自身の責任で:転職・金融商品申込み・補助金申請・投資等の最終判断は、必ず公式サイトおよび専門家(税理士・社労士・弁護士等)に確認のうえ、ご自身の責任においてお願いします。

広告・アフィリエイト開示:本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。リンクからのご購入・ご登録により当サイトに報酬が発生する場合があります。ただし、報酬の有無にかかわらず、著者が実際に評価・調査した内容のみを掲載しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました