雇用調整助成金とは?物流会社が利用するケースと注意点【2026年版】

雇用調整助成金とは?物流会社が利用するケースと注意点【2026年版】 補助金・助成金
Photo by Gabriel Tovar on Unsplash

カテゴリ: 補助金・助成金

メインキーワード: 雇用調整助成金 物流会社 利用 注意点

文字数: 約5,800字

アフィリエイト誘導: 社会保険労務士相談サービス


「業績が一時的に落ち込んでいるが、従業員を解雇したくない」

中小企業の経営者なら一度はこの状況に直面することがあります。私も物流会社を経営する中で、大口取引先の発注減少で業績が落ち込んだ時期がありました。そのときに活用したのが「雇用調整助成金」です。

この記事では、雇用調整助成金の仕組みと、物流会社・中小企業が利用する際のポイントを解説します。


この記事でわかること

  • 雇用調整助成金の基本的な仕組み
  • 物流会社で利用しやすいケース
  • 申請の条件と手順
  • 注意点と失敗パターン
  • 社会保険労務士に依頼すべきケース

雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金(雇調金)は、経済的な理由で事業活動の縮小が必要になった事業者が、従業員を解雇せずに「休業」「教育訓練」「出向」などで雇用を維持した場合に、その費用の一部を国が補助する制度です。

運営機関:厚生労働省(管轄ハローワーク・都道府県労働局)

財源:雇用保険料

基本的な仕組み

項目 内容
対象事業者 雇用保険適用の事業所
対象従業員 雇用保険に加入している従業員
補助内容 休業手当の一部(中小企業は最大2/3〜9/10)
支給上限 1人1日当たり上限額あり(変動する)
申請先 事業所を管轄するハローワーク

物流会社で雇用調整助成金が使えるケース

ケース①:大口取引先の発注減少

物流・運輸業では特定の荷主への依存度が高いことが多く、その荷主の発注が一時的に減ると従業員の仕事量が大幅に減ります。

このような場合、ドライバーを解雇せずに休業させながら、雇用調整助成金で休業手当の一部を補填できます。

具体例

月の売上が前年比30%以上減少した場合、要件を満たす可能性があります(詳細は申請時に確認)。

ケース②:燃料価格高騰による収益悪化

物流業は燃料費が固定費の大きな割合を占めます。燃料価格の高騰で収益が急激に悪化した場合も、雇調金の対象になりえます。

ケース③:季節的な需要変動

繁閑の差が激しい荷主の仕事を請け負っている場合、閑散期の従業員の休業に対して雇調金を活用できる可能性があります。


申請の条件

基本的な申請条件

  1. 雇用保険の適用事業者であること
  2. 最近3か月の月平均生産量・売上高等が、前年同期比または前々年同期比で10%以上減少していること
  3. 従業員を解雇せず、休業・教育訓練・出向で雇用を維持すること
  4. 労使協定(経営者と従業員代表の合意)を締結すること

支給される金額の目安

区分 助成率
中小企業(通常) 休業手当の2/3
中小企業(生産性要件を満たす場合) 休業手当の4/5
解雇等を行わず雇用を維持している場合 さらに10%加算

申請の流れ

Step 1:要件の確認

まず、自社が申請要件(売上減少・雇用保険加入等)を満たしているかを確認します。管轄のハローワーク・都道府県労働局に相談することをお勧めします。

Step 2:労使協定の締結

経営者と従業員代表(労働者代表)の間で「休業の実施に関する労使協定」を締結します。

労使協定の主な内容

  • 休業の対象部署・対象者
  • 休業の期間・日数
  • 休業手当の支払い方法・金額

Step 3:休業実施計画届の提出

休業を実施する前に「休業等実施計画届」をハローワークに提出します。事前届出が必要な点に注意してください。

Step 4:休業の実施

計画に従って従業員を休業させます。この間、従業員には休業手当(平均賃金の60%以上)を支払います。

Step 5:支給申請

休業期間終了後、支給申請書を提出します。審査後に支給が決定されます。


注意点

注意点①:事前届出が必要

休業を実施する前に計画届を提出する必要があります。休業後に申請しようとしても対象外になる場合があります。

注意点②:休業手当は必ず支払うこと

雇用調整助成金は「会社が休業手当を支払った後」に国から補填される仕組みです。休業手当を支払わずに申請することはできません。

注意点③:虚偽申請は重大な違反

実際には休業していないのに休業したように偽る「不正受給」は、全額返還+ペナルティの対象になります。

注意点④:申請期限がある

支給申請には期限があります(休業終了から2か月以内等)。期限を過ぎると申請できなくなります。


社会保険労務士に依頼すべきか

雇用調整助成金の申請書類は複雑で、不備があると申請が通らないことがあります。以下のケースでは社会保険労務士(社労士)への依頼を検討してください。

社労士への依頼を検討するケース

  • 初めて申請する
  • 従業員数が多い(対象者の管理が複雑)
  • 計算方法が複雑(変形労働時間制・パートタイム混在等)
  • 申請書類の作成時間が取れない

依頼費用の目安

  • 申請代行:5〜15万円程度(支給額・複雑さによる)
  • 顧問社労士がいれば追加費用なしで対応してもらえる場合も

よくある質問(FAQ)

Q. 雇用調整助成金はいつでも申請できますか?

A. 通常は公募期間の制限はなく、要件を満たせば随時申請できます。ただし、緊急時(コロナ禍等)には特例措置が設けられることがあります。

Q. アルバイト・パートにも雇用調整助成金が使えますか?

A. 雇用保険に加入しているパート・アルバイトも対象です。週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある場合は雇用保険加入が原則です。

Q. 休業中の従業員が自主退職した場合はどうなりますか?

A. 自主退職した従業員の休業手当分は申請できません。退職者が出た場合の取り扱いは申請窓口に確認してください。

Q. 物流会社でドライバーを休業させる場合、運行管理はどうすればいいですか?

A. 休業対象の運転手が増えれば、残りの運転手や外部委託で対応することになります。安全管理の観点から、休業期間中の運行体制を事前に計画してください。

Q. 助成金を受けた場合、税務上の取り扱いはどうなりますか?

A. 雇用調整助成金は法人の収益として課税対象になります。受給した年度に雑収入として計上し、確定申告に含めてください。


まとめ

雇用調整助成金を正しく活用するための3つのポイント:

  1. 業績悪化が確認できたら、まずハローワークに相談する(事前届出が必要)
  2. 休業手当を確実に支払う体制を整えてから申請する
  3. 書類が複雑な場合は社会保険労務士に依頼する

雇用を守ることは経営者の責任であり、助成金はそのための道具です。業績が悪化した際に「解雇するしかない」と諦める前に、雇用調整助成金の活用を検討してください。


あわせて読みたい


本記事の情報は2026年5月時点のものです。助成金の詳細・要件は厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。

本サイトはアフィリエイトプログラムを利用しています。


⚠️ 免責事項・情報の正確性について

本記事は掲載時点の情報をもとに、著者(物流会社経営者)の個人的な調査・体験に基づいて作成しています。以下の点をご確認のうえ、情報をご活用ください。

  • サービスの料金・仕様・審査基準・提供内容は予告なく変更される場合があります
  • 補助金・助成金の条件・金額・公募期間は年度ごとに変わります。申請前に必ず公式サイト・商工会議所等でご確認ください
  • 転職エージェントの求人数・サービス内容・担当者体制は変動します
  • 本記事に記載された統計・数値は、取材時点の公開情報に基づくものです。最新データは一次情報源でご確認ください
  • 本記事の内容は正確を期していますが、情報の完全性・正確性を保証するものではありません

最終判断はご自身の責任で:転職・金融商品申込み・補助金申請・投資等の最終判断は、必ず公式サイトおよび専門家(税理士・社労士・弁護士等)に確認のうえ、ご自身の責任においてお願いします。

広告・アフィリエイト開示:本記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。リンクからのご購入・ご登録により当サイトに報酬が発生する場合があります。ただし、報酬の有無にかかわらず、著者が実際に評価・調査した内容のみを掲載しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました