AIへの決算書の渡し方【ClaudeとChatGPTで財務分析する具体的プロンプト】
「税理士に決算書をもらったが、何が書いてあるかよくわからない」
これは中小企業の経営者が口にする本音です。損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)・キャッシュフロー計算書(CF)の3つを渡されても、「前年比でどこが悪化したか」「どこに手を打てばいいか」を自分で読み解くのは難しい。
私もかつてはそうでした。でも今は、Claudeに決算書を読ませて、5分で「経営改善のポイント」を教えてもらっています。この記事では、実際にClaudeを使った決算書分析の手順と、どんな出力が得られるかを公開します。
この記事でわかること
Claudeに実際に決算書を渡したときの体験談・発見した問題点の実例については → Claudeで決算書を分析してもらった結果【実際のプロンプトと出力を公開】 をご覧ください。この記事ではP/L・B/S別のプロンプト設計と出力を引き出す手順に絞って解説します。
Claudeへの決算書分析プロンプト
プロンプト①:P/L(損益計算書)の分析
以下の損益計算書を読んで、経営者向けに分析してください。
【会社情報】
業種:物流・倉庫業
規模:従業員30名・年商3億円
決算期:2025年3月期
【損益計算書(前期比較)】
(ここに数字を貼り付け)
分析してほしいこと:
1. 前期と比較して、悪化している指標と原因の仮説
2. 物流業の業界標準(売上総利益率・営業利益率)との比較
3. 今期に優先的に改善すべき3つのポイント
4. 私がすぐにできるアクション(経営者視点で具体的に)
プロンプト②:B/S(貸借対照表)の分析
以下の貸借対照表を分析してください。
【貸借対照表】
(数字を貼り付け)
確認してほしいこと:
1. 自己資本比率・流動比率・当座比率は問題ないか
2. 借入金の状況:過剰か・適正か
3. 資産の中に「改善できる項目」があるか
4. 金融機関(銀行)はこの数字をどう見るか
実際にClaudeで分析したときの出力例
私の会社の2025年3月期の概要データ(一部改変)をClaudeに渡した結果を公開します。
入力データ(概要):
Claudeの分析出力(要約):
> ①前期比で最も悪化した指標:
> 売上高は増加しているにもかかわらず、売上総利益率が21.2%→19.0%と2.2ポイント低下しています。これは「売上の増加に対してコストの上昇が大きかった」ことを意味します。物流業の場合、主な原因として①燃料費・車両費の増加、②人件費(残業代・パート単価)の上昇、③外注費の増加が考えられます。
>
> ②業界標準との比較:
> 物流業(中小規模)の売上総利益率の平均は18〜22%程度です。今期の19.0%は業界平均の下限付近にあります。営業利益率3.0%は業界平均(3〜5%)の下限です。まだ赤字ではありませんが、燃料費や人件費がさらに上昇すると危険水域です。
>
> ③今期に優先すべき改善点:
> 1. 燃料費の削減:配送ルート最適化ツールの導入を検討してください(AI導入で10〜20%削減が目標)
> 2. 外注費の見直し:外注依存が高い場合、内製化できる作業を洗い出す
> 3. 高利益顧客への集中:顧客別の利益率を把握し、低利益顧客との契約単価を交渉
この出力を税理士との相談前に読んでから臨んだことで、質問の質が上がりました。「燃料費が悪化の原因か」という仮説を持った状態で相談できたため、対策の議論に移れました。
Claudeが得意な分析・苦手な分析
| 分析の種類 | Claudeの精度 | 備考 |
|---|---|---|
| 前期比較・傾向分析 | ★★★★★ | データを渡すと的確に比較してくれる |
| 業界平均との比較 | ★★★★☆ | 概ねの水準は教えてくれるが、最新データには限界 |
| 財務指標の計算 | ★★★★★ | 自己資本比率・流動比率等を正確に計算 |
| 節税対策の提案 | ★★★☆☆ | 一般論は出るが、会社の状況に合った具体策は税理士が必要 |
| 銀行融資の可否判断 | ★★★☆☆ | 参考程度。実際の審査は銀行の内部基準による |
月次管理にClaudeを使う方法
決算書は年1回ですが、月次の試算表でも同じ分析ができます。
月次プロンプト:
今月の試算表を渡します。先月と比較して、気になる点を3つ教えてください。
また、今月の数字から来月に向けてやるべきことを提案してください。
【今月の試算表】
(コピペ)
【先月の数字】
(コピペ)
毎月この分析を続けることで、「利益が下がり始めているサイン」を早期に発見できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 決算書の数字をAIに渡して情報漏洩のリスクはありますか?
A. Anthropic(Claude提供元)は商用利用で学習データに使用しないと表明しています。ただし社内規定のセキュリティポリシーを確認した上で使用してください。機密性が高い場合は、金額を「1/10スケール」に変換してから入力する方法も有効です。
Q. Claudeの分析と税理士の分析、どちらを信じるべきですか?
A. 最終判断は必ず税理士・会計士に確認してください。Claudeは「分析の出発点」「仮説の整理」に使い、専門家の判断を補う位置づけが適切です。
Q. 数字を貼り付けるときの形式は?
A. テキスト(コピペ)で十分です。表の形式でなくても「売上高:○○万円」という箇条書きで問題ありません。PDFを直接貼ることはできないため、手入力またはコピペが必要です。
Q. Claude無料版でも決算書分析はできますか?
A. できます。ただし入力文字数に制限があるため、1期分の概要データのみの分析に限られます。前期比較や詳細分析にはClaude Proをおすすめします。
Q. Claudeが間違った分析をすることはありますか?
A. あります。特に「業界平均」の数字は学習データの時点によって古い場合があります。出力結果は「一つの見方」として活用し、重要な意思決定前には専門家への確認を忘れないでください。
まとめ
Claudeを使った決算書分析の3つのポイント:
決算書が来たら、まずClaudeに渡してみてください。経営者としての「数字の読み方」が変わります。
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本記事の情報は2026年5月時点のものです。
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静岡県で倉庫会社を経営しています。年商4億円・従業員30名・創業55年のザ・中小企業です。
大学はアメリカ(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)で運動生理学を専攻して2009年卒業。卒業後は外資系医療機器メーカーで営業職として働いていましたが、14年前に家業に入社。課長・部長・専務取締役を経て、2年前に社長に就任しました。
AI活用を始めたのは約3年前。紙・Excel・電話だけで回っていた倉庫業の現場をなんとかしたいと思ったのがきっかけです。それからClaude・ChatGPTを中心に、実際の業務改善で毎日試行錯誤しています。
コンサルでも研究者でもない「普通の中小企業の社長がAIを使ってみたリアル」を発信しています。
モットーは「人生を最大限楽しむ」。好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。


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