「社長・役員として働いていると、転職市場で自分がどう評価されるかわからない」
これは経営幹部クラスの転職で最もよく聞く悩みです。私は静岡で物流会社を経営する現役社長です。実は私自身、家業に入る前は外資系医療機器メーカーの営業職として働いており、そこから転職した経験があります。いまは経営者として採用側の面接に立つ立場でもあるので、「転職する側の実感」と「採用する側は候補者のどこを見ているか」の両方の視点でお伝えできることがあります。
この記事では、経営者・役員クラスが転職を検討する際の注意点と、転職市場での評価を上げるポイントを解説します。
この記事でわかること
経営者・役員の転職市場での現実
まず正直に伝えます。経営者・役員クラスの転職は「ポジションが高い分、求人数が少ない」のが現実です。
| 年収帯 | 求人の絶対数 | 転職難易度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 〜500万円 | 多い | 低〜中 | 一般の転職エージェントで対応可 |
| 500〜800万円 | 普通 | 中 | リクルートエージェント・doda |
| 800〜1,200万円 | 少ない | 中〜高 | JACリクルートメント・ビズリーチ |
| 1,200万円〜 | 少ない | 高 | ビズリーチ・エグゼクティブ専門エージェント |
経営者・役員クラスは「希少な存在」である一方、求人も希少です。だからこそ、エージェント選びと自己PRの質が成否を分けます。
転職前に整理すべき4つのこと
① なぜ転職するのかを言語化する
「現職に不満がある」という理由で動くのは最も危険です。転職市場での経営幹部への問いは「なぜその選択をするのか」への説明力が求められます。
整理すべき質問:
② 自分の市場価値を客観的に把握する
「大企業の役員だから」「売上〇〇億の会社を経営していたから」という肩書きだけでは転職市場では通用しません。評価されるのは具体的な実績です。
整理すべき実績:
③ 自社(家業・同族会社)出身の場合は特に注意
自社(実家の会社・同族企業)からの転職は、転職市場では「家業継承者」として見られます。経営実績があっても「純粋な実力かどうか」という目線で見られることがあります。
対策:
採用側の面接で候補者を見ていても、肩書きの並びより「自分が主導した具体的な施策」を語れる人のほうが圧倒的に説得力があります。同族会社出身であっても、ここを数字で説明できれば評価は大きく変わります。
④ 財務・法務リスクを確認する
経営者・役員として転職する際に見落としがちな注意点です。
よくある失敗パターン
失敗① 年収を下げずに同等のポジションを探す
役員クラスの求人は少ないため、「現職と同等の待遇・ポジション」という条件で探すと、選択肢がほぼゼロになることがあります。特に50代では、年収をある程度柔軟にした方が良い機会に巡り合えます。
失敗② 1社だけに絞って転職活動する
「この会社でなければ転職しない」という姿勢は選択肢を狭めます。複数のエージェント・複数の企業と並行して動くことで、交渉力も上がります。
失敗③ 退職してから転職活動を始める
経営幹部の転職は時間がかかります。在職中に動き始め、内定が出てから退任の準備をするのが基本です。退職後に活動すると、「なぜ辞めたのか」という目線で見られることがあります。
転職活動の進め方(準備から内定まで)
役員・幹部クラスの転職は、一般社員とは選考の流れ自体が異なります。全体像は次の通りです。
全体で3〜12ヶ月かかるのが普通で、「内定が出たら2週間で入社」は役員転職ではほぼありません。長期戦を前提に、在職中から計画的に動き始めてください。
経営幹部の転職に強いエージェント
| エージェント | 得意な年収帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| **JACリクルートメント** | 600〜1,500万円 | 外資・グローバル企業に強い・経営幹部実績多数 |
| **ビズリーチ** | 600万円〜 | スカウト型・ヘッドハンター経由の求人が多い |
| **リクルートエグゼクティブエージェント** | 1,000万円〜 | リクルートの役員・経営幹部特化部門 |
| **エン・ミドルマネジメント** | 500〜1,000万円 | 中堅管理職〜経営幹部向け |
よくある質問(FAQ)
Q. 在職中に転職活動をしても会社にばれませんか?
A. エージェント経由での活動であれば、現職に知られずに進めることが基本です。ただし、業界が狭い場合は噂が広がるリスクがあります。転職エージェントに「現職に知られないよう配慮してほしい」と伝えましょう。
Q. 60代での転職は可能ですか?
A. 求人の絶対数は少なくなりますが、特定の業界・専門分野では経験者として評価されます。「顧問・アドバイザー」という形の契約も選択肢になります。
Q. 経営者から会社員に戻ることへの心理的ハードルはどう乗り越えますか?
A. 経営者経験を活かした「より大きな組織でのポジション」という目標設定が有効です。「降格」ではなく「ステージの変化」として捉え、新しい環境でできることを具体的に描いてください。
Q. 同族会社出身でも転職市場で評価されますか?
A. 実績次第で評価されます。「家業だから」ではなく「自分が何をどう変えたか」を数字で示せれば、出自は関係ありません。
Q. 転職活動にどのくらいの期間がかかりますか?
A. 経営幹部クラスは3〜12ヶ月が目安です。年収が高く・ポジションが限られるほど時間がかかります。余裕を持ったスケジュールで活動してください。
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まとめ
経営者・役員が転職を成功させる3つのポイント:
転職市場での評価は「何の役員か」ではなく「役員として何をやり遂げたか」です。自分の実績を客観的に数字で整理するところから始めてください。
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本記事の情報は2026年5月時点のものです。
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静岡県で倉庫会社を経営しています。年商4億円・従業員30名・創業55年のザ・中小企業です。
大学はアメリカ(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)で運動生理学を専攻して2009年卒業。卒業後は外資系医療機器メーカーで営業職として働いていましたが、14年前に家業に入社。課長・部長・専務取締役を経て、2年前に社長に就任しました。
AI活用を始めたのは約3年前。紙・Excel・電話だけで回っていた倉庫業の現場をなんとかしたいと思ったのがきっかけです。それからClaude・ChatGPTを中心に、実際の業務改善で毎日試行錯誤しています。
コンサルでも研究者でもない「普通の中小企業の社長がAIを使ってみたリアル」を発信しています。
モットーは「人生を最大限楽しむ」。好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。


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