「毎月末、エクセルの勤怠集計に丸1日かかっている」——これは中小企業の人事・総務担当者の多くが抱える悩みだ。
私の物流会社でも2024年までエクセル管理をしていたが、ドライバーの残業時間の計算ミスが続き、2024年にクラウド勤怠管理システムへ移行した。現在は月末の勤怠集計が30分で終わり、社労士への月次報告書の作成もほぼ自動化された。
この記事ではfreee勤怠・ジョブカン・KING OF TIMEの3社を実際に比較し、中小企業が選ぶべきシステムを解説する。
クラウド勤怠管理システムを選ぶ5つの基準
| 基準 | 確認ポイント |
|---|---|
| 打刻方法 | GPS打刻・スマホ打刻・ICカード打刻に対応しているか |
| 法改正対応 | 2024年問題・残業上限規制に対応しているか |
| 会計ソフト連携 | freee・マネーフォワードとのデータ連携ができるか |
| サポート体制 | 日本語サポート・電話サポートはあるか |
| コスト | 1人あたりの月額と初期費用 |
物流業の場合はGPS打刻(ドライバーが出発・到着時にスマホで打刻)が特に重要だ。
主要3サービスの比較表
| 項目 | freee勤怠管理 | ジョブカン勤怠管理 | KING OF TIME |
|---|---|---|---|
| 月額(目安) | 400円/人〜 | 200円/人〜 | 300円/人 |
| 初期費用 | 無料 | 無料 | 11,000円 |
| スマホ打刻 | ○ | ○ | ○ |
| GPS打刻 | ○ | ○ | ○ |
| ICカード打刻 | ○ | ○(オプション) | ○ |
| freee連携 | ◎(直接連携) | △(CSV連携) | △(CSV連携) |
| マネーフォワード連携 | △(CSV連携) | ◎(直接連携) | ○ |
| 36協定・残業管理 | ○ | ○ | ○ |
| サポート | チャット・メール | 電話・チャット | 電話・チャット |
freee勤怠管理
特徴
freee会計・freee人事労務と完全に連携しているため、勤怠データが給与計算・会計仕訳に自動反映される。「freeeで全部まとめる」戦略を取る会社に最も向いている。
メリット
- freee会計ユーザーなら追加費用最小で勤怠管理が始められる
- ワークフロー(申請・承認)機能が充実
- スマホアプリの操作が直感的で社員の習熟が早い
デメリット
- freee以外の会計ソフトとの連携はCSV手動インポートになる
- ジョブカンと比較してカスタマイズ性がやや低い
向いている企業
freee会計・freee人事労務を使っている、または今後導入予定の中小企業。
ジョブカン勤怠管理
特徴
ジョブカンはHR系のツール(勤怠・給与・採用・労務)が揃っており、機能の豊富さが最大の強み。1人あたり月200円〜という低コストも魅力。
メリット
- 業界最安値クラスの月額料金(200円/人〜)
- シフト管理・休暇管理・申請ワークフローが豊富
- 製造業や小売業など多様な業種への対応実績が多い
デメリット
- freee連携はCSV経由になるため手間が発生する
- マネーフォワードは直接連携あり(JobcanとMFのAPI連携)
向いている企業
コストを抑えつつ勤怠機能をしっかり使いたい会社。シフト管理が複雑な小売・飲食・介護業にも向いている。
KING OF TIME(キング・オブ・タイム)
特徴
打刻の多様性(顔認証・指静脈・QRコード・ICカード等)が他社より充実している。製造業・物流業など多様な打刻環境が必要な会社に強い。
メリット
- GPS打刻精度が高く、物流・建設業での導入実績が豊富
- 残業アラート・36協定管理が充実
- 打刻端末のバリエーションが豊富(顔認証端末等)
デメリット
- 初期費用が11,000円かかる(他社は無料)
- UIがやや複雑で操作習熟に時間がかかる
向いている企業
物流・製造・建設業など、GPS打刻や顔認証が必要な現場作業系の会社。
私が選んだシステムとその理由
私の物流会社(従業員30名・ドライバー20名)ではKING OF TIMEを選んだ。理由は3つ。
- ドライバーのGPS打刻精度:配送中の打刻が取れているかを管理者が地図で確認できる機能が決め手だった
- 2024年問題への対応:物流業の年間960時間上限の管理ツールが標準搭載されていた
- 社労士との連携実績:顧問の社労士がKING OF TIMEのデータ連携に慣れていた
マネーフォワードとの連携はCSVを使っているが、月末に一括エクスポートして5分でインポートできるため実用上の問題は感じていない。
クラウド勤怠管理への移行手順
STEP1:現状の棚卸し(1週間)
- 現在の打刻方法(紙・タイムカード・エクセル等)を整理
- 特殊な勤務形態(変形労働時間・フレックス等)の確認
- 使用中の会計ソフト・給与計算ソフトの確認
STEP2:無料トライアルで比較(2週間)
上記3社は全て無料トライアルが可能。実際の自社データを入れてテストすることで「本当に使えるか」が分かる。
STEP3:並行運用期間(1ヶ月)
新システムを稼働させながら、旧方法(エクセル等)でも集計を続ける。不具合・入力ミスがないかを検証してから旧方法を廃止する。
STEP4:社員へのトレーニング(導入前2週間)
- スマホ打刻のデモを全員に実施
- 申請・承認フローを管理職に説明
- よくある質問集(FAQ)を社内チャットに投稿
導入後の実際の変化(私の会社の場合)
| 項目 | 導入前 | 導入後(6ヶ月) |
|---|---|---|
| 月末集計作業時間 | 8時間(担当者) | 30分 |
| 勤怠ミスの発生頻度 | 月3〜5件 | 月0〜1件 |
| 残業超過の把握タイミング | 月末集計後 | リアルタイム |
| 社労士への月次報告 | 手動作成1時間 | エクスポート15分 |
よくある質問(FAQ)
Q. 月何人以上からクラウド勤怠管理システムが「元が取れる」ですか?
A. 従業員5〜10人規模でも十分元が取れます。エクセルでの勤怠集計に月3時間以上かかっているなら、月3,000〜5,000円のシステム費用で時間が回収できます。特に残業管理・36協定管理が自動化されることで、労務リスクも下がります。
Q. 既存のタイムレコーダー(タイムカード機)は使い続けられますか?
A. ほとんどのクラウド勤怠システムはタイムカードとの並行使用または代替が可能です。KING OF TIMEはICカード型の打刻端末も用意しており、タイムカードからの移行も容易です。ただし旧型のアナログタイムレコーダーは専用端末との交換が必要になるケースが多いです。
Q. フレックスタイム・変形労働時間制にも対応できますか?
A. 主要3社はいずれも対応しています。ただし設定が複雑なため、導入前に社労士に確認してから進めることを推奨します。設定を誤ると残業代の計算が狂うリスクがあります。
まとめ
クラウド勤怠管理システム選びのポイントをまとめる。
- freee会計ユーザー → freee勤怠管理(連携が最もスムーズ)
- 低コスト重視・多機能希望 → ジョブカン(月200円〜・シフト管理も強い)
- 物流・製造・建設業 → KING OF TIME(GPS・顔認証・現場打刻に強い)
- 移行は並行運用期間(1ヶ月)を設けて段階的に進める
- 月末集計が8時間→30分になるのが現実的な効果
まず無料トライアルで自社に合うシステムを体感することから始めてほしい。
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本記事の情報は2026年5月時点のものです。
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静岡県で倉庫会社を経営しています。年商4億円・従業員30名・創業55年のザ・中小企業です。
大学はアメリカ(カリフォルニア州立大学ノースリッジ校)で運動生理学を専攻して2009年卒業。卒業後は外資系医療機器メーカーで営業職として働いていましたが、14年前に家業に入社。課長・部長・専務取締役を経て、2年前に社長に就任しました。
AI活用を始めたのは約3年前。紙・Excel・電話だけで回っていた倉庫業の現場をなんとかしたいと思ったのがきっかけです。それからClaude・ChatGPTを中心に、実際の業務改善で毎日試行錯誤しています。
コンサルでも研究者でもない「普通の中小企業の社長がAIを使ってみたリアル」を発信しています。
モットーは「人生を最大限楽しむ」。好きな言葉は「生きてるだけで丸儲け」。


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